[コメント] スカイハイ 劇場版(2003/日)
ヴァージンロードの向こう、扉が開き、溢れる光の中から歩み出てきた釈由美子のウエディング・ドレスが鮮血に染まっていたのを観たときは、この監督さんは天才かと思いました。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
物語も設定も展開も適当すぎるのだが、主人公であるはずの女の物語であるというよりも、二人の男の物語、盆百の刑事(谷原章介)と稀有なマッドサイエンティスト(大沢たかお)の相克として読み解くと、いっそ筋が通って見えてくるから不思議なものでございます。
死んだ人間を助けるために自分を人に撃たせるとは何と間の抜けた話なんだと思いつつも、失笑を堪えればまた見えてくるものもありやなしや。死んだ女への想いから全てを犠牲にして憚らない男、ブレーキを踏むべきところでアクセルを踏み倒せてしまうそんな男と向き合う刑事の方は、しかし、ブレーキを踏まずにはいられない盆百の徒。アクセルを踏み切った結果、孤独に地獄へ向かっていった男。アクセルを踏んで飛び越えてはみたものの、結局は彼女に諭され現世に帰って行った男。人は覆しようのない運命を前に、また自らの力を超えた災厄に自らの愛を試されたとき、どうあれば良いと言うのでしょうね。そう想ったとき、クライマックスの緩慢なアクションに何やら切ないものをも感じたのでございます。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。