[コメント] 点と線(1958/日)
ヒッチコックタッチだ!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
当時の東映映画としては、かなりエキゾチックな作りだろう。過剰な評価かもしれないが、それはまるで『ヒッチコック』の一連のサスペンス映画を彷彿とさせてくれる。
『ヒッチコック』は1950年代に、かなり色の濃いカラー映画でサスペンス作品を連発し評価を受けている。ダイヤルMを廻せ!や知りすぎていた男、めまいなどがそれに当たるが、この点と線には、明らかに『ヒッチコック』を意識した映像表現がある。
冒頭の心中した男女、その女性の顔を小さなカニが横切る。(撮影が大変だったろうな)このシーンから、一気に見る者の興味をそそる。
映画全体はオーソドックな作りだが、その後『黒澤明』とともに脚本を執筆する『井手雅人』がこの作品のシナリオを書いている点が評価できる。
そして何より、東映映画に『志村喬』が東宝から参加していることも嬉しい。
その他若き日の『高峰美枝子』の美しさ、大物役を見事にこなす『山形勲』、老齢な刑事役を『加藤嘉』など、往年の名優が顔をそろえている点も魅力だ。
今となってはこのカラクリに驚かされることはないのだろうが、原作の書かれた時期を考えると、画期的な話だったのだ。
今はない、青函連絡船や蒸気機関車など古き風景が実在の姿で見ることができるのもありがたい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。