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[コメント] 逢いたくて逢いたくて(1966/日)

主役の園まりは前半、太田雅子(梶芽衣子)と並んだ場面で完全に太田に負けており、大丈夫か?と思わせるのだが、しかし、それは映画的な変貌−『めまい』のキム・ノヴァクのような、と云えば云い過ぎか−のための方便であったことを中盤で了解する。さらに逆『ローマの休日』の様相を呈してくる。
ゑぎ

 結局、全般に園まりはまるで根っからの日活女優のような演技をし、ヒロインとしてよく映画を支えている。渡哲也のアップも強い。小沢昭一が出てくると流石に場面をさらう。イタリア文化研究会の部室の装置と照明も全く日活映画らしくて、或いは鈴木清順っぽくて(って簡単に云ってしまうのは良くないが)面白い。映画のタイトルでもある「逢いたくて逢いたくて」という主題歌が昔から大好き、という贔屓目もあるが、その他の楽曲も良く、伊藤ゆかり中尾ミエの歌唱シーンのアップカットもよく撮れている。ドリフターズの扱いをはじめいい加減な部分も多いが、それはそれで、おバカっぷりが実に楽しかった。これはもっと再評価されるべき映画だろう。いや江崎実生をこそ再評価すべきだろう。

#映画と関係ありませんが、忌野清志郎と細野晴臣をバックに坂本冬美が唄った「逢いたくて逢いたくて」もとってもいいです。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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