[コメント] ダーティハリー3(1976/米)
イーストウッド作品御用達のフェリス・ウェブスターとジョエル・コックスがクレジットされているが、どうにも編集が冴えないという印象を覚える。それは全体の構成というマクロ的意味においても個々のカットの繋ぎというミクロ的意味においても。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それが顕著なのは中盤の見せ場(?)であるクリント・イーストウッドと怪しい黒人の追いかけっこシーン。うーん、もうちょっとスムースに繋げなかったものだろうか。また、このシーンに限らず全篇を(演出家が意図したものとはおそらくまた別種の)脱力感が覆っており、なんだかなあ。とも思うのだが、これはこれで面白いのだから映画とはいいかげんなものだ。
寡聞にしてその名をまったく知らない撮影者が回すカメラにはぎこちなさが付き纏っているのだが、工夫の跡が窺えぬでもない。ジェームズ・ファーゴは第一作に倣ったかのように「高低」の演出に気を遣っている(むろんシーゲルほどの才気を感じさせる瞬間は訪れないのだが)。それは主に「階段」を利用したもので、たとえば先に述べた追いかけっこシーンもそう。犯人が見張り台か何かの上に登っていき、イーストウッドがそれをバズーカで射殺(爆殺?)するというラストはやはりいいかげんで脱力感を伴うものだが、この映画のキイである「階段」と「バズーカ」で締めるという点で演出の整合性は取れている。
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