[コメント] コール(2002/米=独)
中盤までのサスペンスはなかなか良かった。でも関心はもっぱらこれ。「いいからシャーリーズ・セロンを早く寝室へ!」
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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犯人たちの真の目的が今回の事件にこそあったというあたりからリアリティを失っていく。ケビンは事件のたびに被害者の奥さんと寝ているみたいだけど、目的を遂げるための悲痛さとそういう個人のお楽しみみたいなのが同居する心理というのは、「事実ってそういうもんでは?」というかも知れないが、中途半端に描くくらいなら、いっそ割愛したほうがすっきりすると思う。でなければ、「目的のための一体感」以外に、奥さんや従兄弟が彼の言うことに盲従する理由の描写が希薄と思う。かれらのチームワークは、それまでの犯行がすべて完璧だったということと関係してくるものであり、今回の事件が成功するか失敗するかを楽しんでいる側にとっては大事なところ。妙に興奮しやすい従兄弟の挙動をコントロールする術(すべ)をわきまえている主犯格の男、彼の奥さんへの暴行の跡などが、一体感の謎を解明していくものであるのに、アクションでふっとばしてしまったのが残念。被害者の父がとった行動もそれまでのドラマで積み重ねていたものを完全無視するようで絶対おかしい。喘息でいつ発作が起きて死ぬかもしれない、興奮させてはいけない、ってさんざんふっておいてセスナで突入はなかろう。発作の件は譲っても大怪我しなかったのが奇跡に近い。アクションをやりたかったのなら、それまで冷静だった父親が、最後はついに半狂乱になって…とかにでもしておけばよかったのに。
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