[コメント] 荒木又右エ門 決闘鍵屋の辻(1952/日)
河合又五郎一行が辻の向こうに現れてから鍵屋の前へさしかかるまでの時間を引き延ばした森一生の演出は手に汗握る。また加東大介の怖じ気づきようが上手い上手い。このパンニングとアップカットで人物の心理を丹念に描いていく手法は実に巧くいっている。
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映画を見終った人むけのレビューです。
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講談調のオープニングには仰天した。三船も志村喬も千秋実も白塗りで登場し大袈裟な殺陣を披露するのだから。しかし、続くドラマ部分のリアリズム(?)と対比させるためとは云え、このオープニングは不要ではないか。またフラッシュバックを多用した黒澤明の脚本は黒澤らしい小利口さを感じ、どうにも私の好みではないが、左ト全が謡い舞う様子を天井に映った影で表現する演出など森一生の才気走った造型が補って余りある。
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