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[コメント] 暗黒街の顔役(1932/米)

我々が無意識に知っているギャング映画はすでに『ゴッドファーザー』などで標準化されていたが、なぜかこのギャング映画の原点に戻ると、その恐ろしさが倍増する。なぜかなあ。
chokobo

それはやはりこの映画がギャング映画のはじまり、ギャング映画の原点であるということでしょうね。「世界は我のもの」という発想が全てに尽くされている。そして妹にまで言い寄るこの非人道的、非宗教的な発想。この言い尽くせない過ちの数々が画面からあふれるほど押し寄せてきますね。

肉欲、近親相姦ですね。こんなことを当時映画で表現して良いのかどうか、微妙な部分もありますが、ギャングの恐ろしさをあらゆる情報で埋め尽くしている。

のちにデ・パルマが『スカーフェイス』(原題のまま)としてリメイクしているんですが、この映画も素晴らしかった。これ以上ないというほどの残酷性ですね。これ以上ないというほどの名誉欲と肉欲と、そして残虐な生き様だね。でもハワード・ホークスのこの原点があってこその映画だ。『ゴッドファーザー』も然りですね。

ラストも印象的でした。この殺され方、惨めな惨めな殺され方。「死にたくない、助けてくれ、助けてくれ」というシーンが印象に残ります。それまでの残虐で放漫な主人公の惨めな最期ですね。これが『スカーフェイス』というものなんですね。勉強になりました。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)甘崎庵[*] ギスジ[*]

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