怖い噂話、ケータイ社会の希薄な人間関係、幼児虐待、代理ミュンヒハウゼン症候群、○士急ハイランド風のお化け屋敷と「通る企画」感、「押さえてます」感は健在。ちゃんと以降続編も作っているんだからさすがです。

本作の失敗した点は、中盤以降の興味を「フーダニット（犯人探し）」に求めすぎたことだと思う。不特定多数の存在とつながってしまう漠とした広がりが、現代社会において「彼岸」を連想させるところこそ、ケータイを小道具として用いた真味であったのに、見知らぬ何かから襲われるという得体の知れぬ不安感は、当然真相が解明されていくに従って薄れていく。ホラーとミステリーをうまく両立させた『サスペリア２』や『黒い家』などと比べると、本作はホラーをミステリーで引き算しちゃっている感じ。筋運びのためとはいえ、夜の廃墟の病院にひとりで乗り込むヒロインなんて設定は、超人過ぎてついていけません。

ところでケータイの時間あわせってみんなマメにやっているんですね。