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[コメント] ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003/米=ニュージーランド)

至福の三年。(おめでとう、オスカー11冠!)
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







アカデミー賞で二年間、冷遇されていたが、その分今回まとめて獲得した感が(ノミネート部門全勝ってのもすごい!)あります。

その昔、TVで「アメリカ横断ウルトラクイズ」を放送していたことを、今思い出しました。あの番組が始まったのは、僕が小学生のころだった。見始めたのは第3回の時からですが、とにかくTVに釘付けになりました。趣向を凝らしたクイズを突破し、NYを目指して進む、日常では味わえない冒険旅行。

あの番組は、決して「クイズ番組」ではなかった。むしろ「旅行番組」。まだ今ほど海外旅行が盛んではなかった時代、まだ見たこともないような、美しい自然が広がる広大な大陸を駆け巡り、夢と希望が広がる道を求めて続く冒険旅行。アドベンチャーたちはクイズに勝つ為に冒険旅行をしているのではなく、冒険旅行を続ける為にクイズに勝たなければいけないのだ。それは敗れた者の姿を見たときによく判る。(ちなみに、亜流の「クイズ王」番組がたくさん登場したが、何の感慨も感じない。ウルトラクイズの勝者は「クイズ王」ではなく、「冒険王」だからだ)。

まるで自分も一緒にアメリカ大陸を旅しているような、楽しい時間はあっという間に過ぎる。早く来年のTV放映が始まらないか、待ち遠しくてたまらない。早く大人になって、自分も冒険の舞台に立ちたくてたまらない。結局、自分がその場に立ったのは一度だけ。社会人になってから。福留アナが降板した後の、レギュラー放映の最後の年(第16回)。第1問は正解したものの、次で間違えて、東京ドームの人工芝は踏めぬまま、終わった。その後、一度はスペシャルとして復活したが、参加はかなわず、今に至る。今の世界情勢では、再度復活は難しいだろいなぁ。(余談:個人的にすばらしいと思ったのは第14回。ワーストは第13回)。

本題に戻ると、私にとってこの三年間は、ウルトラクイズを待ち焦がれていたあのころに似ている。ひとつの冒険が終わり、次が始まるまで待つ一年のなんと楽しいこと。まさに夢のような、至福の時間だった。

そして指輪をめぐる冒険は終わる。ホビットの子供たちに冒険譚を語って聞かせたビルボはフロドと共に、ホビット庄から去っていった。僕に至福を与えてくれた、指輪も、ウルトラクイズも、僕の記憶の中へと去っていった。もう僕を冒険の旅へと連れて行ってくれる物語に出会う日は訪れないのだろうか。至福と共に、喪失感が残ったのも事実。

求む、新たなる冒険旅行。ピーター・ジャクソンさま。次は『封神演義』を三部作として作って下さい。少年ジャンプ版は、面白かったが、原作とはまるで違った世界観であったから、原作に忠実なものが見たい!そして、新たなる冒険旅行へ、私を連れて行っておくれ!

(評価:★5)

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