[コメント] 情婦(1957/米)
七幕ものの法廷オペラ。
今作に於いてワイルダーが最も重視し、画面に定着させようとしたのは「人物と人物の間に流れる空気のリアリティ」であったと勝手に想像する。
擬似マルチ・カムとでもいうべきか。役者たちの台詞やアクションをカットとカットの間で分断せず跨ぎ繋げ連続性を持たせることで、舞台劇をマルチ・カム撮影で実況中継したときのような「臨場感」が生み出されている。これは法廷サスペンスを盛り上げ、チャールズ・ロートンと看護婦の掛け合いを10倍面白くするばかりでなく、観客の意表を付く心理トリックの効果を増幅させる作用をあわせ持つ。
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