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[コメント] あの夏、いちばん静かな海。(1991/日)

サーファー、汚れた海岸、ゴミ収集車、軽トラ…。キッチュなのに美しい。

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







どうでもいいけど、ラストはアンゲロプロスの『シテール島への船出』を彷彿させる。まあ、たけしは絶対見てないと思うけど。

あと、反発を覚悟で言うと、障害者に対する理解が欠けているという批判があるが、良い映画を撮るためにそういったものが足枷となることは悲しいと思う。もちろん、障害者に身近に接している人にとっては、そういった無理解な表現を目にした瞬間、映画に対して引いてしまうのはわかるが、そういったことを映画の質に対する評価に持ち込むことは、同時に表現の幅を狭めることになるのではないだろうか?

「障害者を理解していない」という主張はすなわち「事実と異なる」ということである。そして、この主張を拡大するならば「映画はノンフィクションでなければならない」という帰結を導く。しかしこれは、「障害者を理解していない」と非難する映画ファンたちの望むところではないはず。この問題を解決するには逆に「映画はフィクションである」という考えを拡大し、ここで描かれている障害者はフィクションの産物であると考えるべきである。

まあ、映画の世界は架空の世界であるといっても、多く現実の法則に従ってリアリティを出すことで観客を惹き込むという構造を持っている以上、すべてフィクションと割り切ることはできないので、ムツカシイところですけどね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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