面白いし、キューザックＶＳノア・ティラーの演技対決は見ものだし、舞台装置・美術品・小道具へのハンパない拘り（＊美術監督はピーター・グリーナウェイ作品を手掛けた人）も伝わってくるし、音の使い方も巧いし、カット割りはちょっと五月蝿いけど、まぁ個性的と云って許せる範囲だし・・・

だけど、ラストがあれじゃ、もう、どうしようもねぇだろう？

画家か！演説家か！

そんなヒトラーの矛盾、ダブル・スタンダードの終焉が「不慮の事故」による「約束の反故」によってもたされたものだった、とは！

”だからヨーロッパ侵攻もホロコーストも全部、運が悪かっただけなんです、単に”

馬鹿やろう〜、そんなオチ、犬もくわねぇってんだ。

歴史の生んだ悲劇を描いた作品として、情け無い以上に、あまりに無責任過ぎる。