[コメント] 東京原発(2002/日)
映画の設定としては最上の部類に属するでしょう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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大分前にベストセラーになった広瀬隆の「東京に原発を!」を下敷きに、エネルギー問題を正面から考える部分と、プルトニウム輸送中のトレーラーが都庁に突っ込んで来るというサスペンス部分を両軸に展開されるコメディ作品。
原子力発電について真面目に考えさせる作品としては『チャイナ・シンドローム』(1979)があるが(一応『ゴジラ』(1954)もそうか)、それを上手い具合にコメディにしつつ、緊迫した物語展開で見せてくれて、ほんと感心させてくれた。アイディアの勝利で、原発問題を語るにしてもこういう切り口もある。これは絶対学校とかで放映すべき作品だよ。更に個性派役者を揃えてくれたお陰で、テンポの良さと間の絶妙さも上手い。
後半部分からオチにかけてのブラックジョークも冴えてる。
ただ、説明だけでは流石に間が持たないと考えたか、プルトニウム輸送の杜撰さを敢えて描いて、アクション作品に仕上げた部分にちょっとあざとさを感じてしまう。もっと人間関係を掘り下げたり、データを出したりして「それでは何故都内に原発を作ってはいけないのか」という部分を出して欲しかったかな?緊迫感を増した分、前半の面白さがちょっと方向転換してしまった。
特に若い人には絶対観て欲しい作品だ。
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