[コメント] 東京原発(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
プルトニウム運びながら酒呑む塩見三省が豪気(福井でMOX燃料の試験運転、福井の港はデモがいるから東京湾で荷揚げしてこれを運んでいる)。菅原大吉、岸部一徳、吉田日出子、塩見三省とみんな面白い。役所広司の都知事の提案が、都民に反原発の運動を起こさせるための策動だったという説明は気障で、もう少し別の着地点が良かったと思うが、イロニーと思えば効いているだろう。再見。
以下は序盤の都知事の幹部会議の抄録。都知事が財政再建のための原発誘致をぶち上げる。国のばら撒き交付金をいただくぞ。幹部との議論が始まる。ドイツは原発の完全廃止宣言をしました−フランスから電気買えるんだ。東海村の臨界事故で二名死亡―あれは原発じゃない、安全管理は万全だ。
数万人規模のデモになる―お前らは電気がいらんのかと云ってやれ、停電してやれ、とりあえず23区1時間ぐらい、電気の有難味が判る。わざわざ東京につくらなくても―福島や新潟の自然を破壊している。漁民農民はいなくなり一次産業はなくなる。東京の自然はすでに破壊されている。「原発は大都市のほうがよく似合う」。修学旅行コースにしようと算段が始まる。
電気代は世界一高い、アメリカの4倍近い。電力会社9社の負債は30兆円(独占だから)。東京なら送電ロスがなくなる。海に捨てていた温排水の有効利用、馬鹿でかいコージェネの提案付にする。どこに建てるんです? 土地の買収費用が田舎の何十倍にもなる―新宿中央公園だ。地震はどうする―原発の中が一番安全、世界最高水準。放射性廃棄物は―それは国の仕事。
国の施策を傍観しているのは賛成しているのと同じことだ。都民に原発のリスクを追えというのですか―その通りだ。一番恩恵を被っている東京都民が、原発を他所の土地に押しつけといていいのか。「それが嫌なら、電気など使うな」。云々。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。