[コメント] パッション(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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実はもっと「退屈」な映画かと思っていた。もっと宗教的な説教だらけで、頭ばっかり使わせる、言葉の洪水であふれかえったものかと。
ところが、意外にもすっきりした構成となっていた。残虐シーンはあるけれど、「観やすかった」が一番の印象。あくまでも聖書の記載に忠実に、でありながら、さすがにメル・ギブソンはトップ俳優。「理屈ばっかりの映画監督」ではできない、「見せ方」を心得ているな、と。
中学生のころ、『オーメン』をみて、「666」の記述を探すためだけに、新約聖書を読み散らかした覚えがあるが、特に内容なんて頭になかった。それでもこのあたりの話は、詳しくは知らなくても、ある程度はなんとなく知っている部分だとおもうし、それと意外にも、バンデラス主演の『抹殺者』という映画が、思いのほか、自分に知識を与えていてくれた。(私の同僚は、『ジーザス・クライシス・スーパースター』の舞台を見たことがあるそうで、「どう違うのか?」が楽しみだ、と話していた)。皆それぞれ、ちょっとでも「入り口」があるはず。だから、「聖書を読んでいない」とどうだとか、「キリスト教徒でない」とどうとか言う前に、「映画として楽しむ」という見方にシフトしたほうが、絶対に楽しいと思う。
で、楽しかったかといえば、「もう少し」。「聖母マリア」と「マグダラのマリア」というのが別人で、なおかつ同じ場所にいた存在であったというのをはじめて知ったし、12人の弟子、それぞれについてもっと知りたい。簡単な説明でいいから、そういう部分を足してほしいのと、「最後の晩餐」をフラッシュバックではなく、もっとじっくり見せてほしかった。だから、3点。
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