[コメント] アップルシード(2004/日)
多分これは、アニメではなく実写の方面で生かされてゆくべき技術なのだと信じたい。これがアニメの未来形なのだとしたら、あまりにも悲しすぎる。
最初に嫌悪感を抱いたのはヒトミの登場時である。このストーリーにおいてはマスコットになるような彼女の「媚び」の演技が、自分にはあまりにも気持ち悪かった。これは『A.I.』の主人公に感じた嫌悪感に似ている。
要するに、これはよく出来すぎた人形に対したときの感情なのだろう。『アップルシード』で何故こういった試みが為されたのかよく判らないが、メカの動きなどでは確かに応用がきくかもしれないけれど、人間を絵に描くにはやはり「人間の手」が介在して欲しい。このような方法をとるのが、人間の脳に心地よくデフォルメされたキャラクターであった場合、演技は必ず違和感を伴ったものになると感じたのだ。
手塚治虫は、漫画のキャラクターは骨格にとらわれる必要はない、ゴム人形でいいと言っていたのだが、それは正しい。そうでないのなら全部実写で撮ってしまった方がいい。そんなわけで、自分はこの作品は否定したい。実写映画の可能性を広げるというベクトルでなら、大いに活躍してほしい技術だとは思ってはいるが。
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