[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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◆『ヤキニクロード』同様、子ども向けである。子どもが観たいしんちゃんなんである。ちなみに我が家の小2の娘は『嵐を呼ぶジャングル』がいちばんのお気に入りで、繰り返し観ているが、『オトナ帝国』や『戦国...』はあまり好きではないらしい。作品のクォリティや評価はともかく、子どもが観たがるから渋々親が連れて行かざるを得ない状況を作るのは、マーケティング戦略として十分に理解できる。上記二作品で子ども達に見限られてしまっては、あえてお金払ってまで観に行こうなんていうオトナはいないだろう。ワタシ以外。
◆導入部、カスカベ防衛隊の面々は、ビルの谷間の噴水広場とともにひっそりたたずむカスカベ座を見つける。時代と人々に忘れ去られたそこだけ時間が止まっているかのよう。大都市にぽっかりと開いたエアポケット。こっそり忍び込むとスクリーンには荒涼とした風景。画面の隅の方にはぼんやりと人影が動いている。なんだかこのシチュエーションスゴく恐くはないか?このときのBGMも不安感と緊張感をあおる。不条理に同じ日々を繰り返し、リアルの記憶を失っていく人々。広々しているようで閉塞した世界。これも恐い。
◆一応騒動は解決するものの、結局、映画終了後も、謎は何一つ解き明かされないままに終わる。誰が、なんの目的でこの未完成の映画を作ったのか、椿ちゃんはその後どうなるのか。ミサエが映画館を後にするときに、ちらりと誰もいない客席を見やるのはなんの意味があるのか。これまでのパターンではどんな荒唐無稽なお話でも、それなりに理屈をつけて、大団円を迎えていたはずなんだが、今回はなにかスッキリしない。不安をかかえたままこちらも映画館を出ざるを得ない。これは恐い。果たして狙ったものなのか。
◆で、今回のテーマは、『リング』や『呪怨』などの昨今流行りのジャパニーズホラーの流れを汲むものなんではないかと思うわけです。『カスカベボーイズ2』でも作ってこのもやもやをスッキリさせて欲しいと願うところです。でも絶対ありえないな。
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