[コメント] ブーメラン(1992/米)
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プレイボーイだったマーフィの青い鳥で、彼に本当のやすらぎを与えたのに裏切られたヒロインが、許しを請うマーフィに「私は本当に傷ついたわ。もう2度とあんな気持ち嫌よ」とか言ったら、マーフィも涙ぐんで「ボクもだ」と言うシーンが興味深かった。
多分ああいう、女をやめられない男って、自分をコントロールできない精神の病で、誰かを傷つけたいなんて思ってないのに、衝動を抑えられないんだよね(でも郷ひろみとか見てると、やっぱりただの自分勝手なスケベ男もいるか)。
いつもなら浮気とか不倫する人が出る映画って、そりゃもうクソミソにけなす自分だけど、マーフィが涙ぐんで「ボクもだ」っていうシーンは、彼が初めて人を本当に好きになって、相手を失うツラさが判るようになったから、どれだけ彼女を傷つけてしまったかも痛いぐらい判って、それを考えるとたまらないぐらいツラいけど、自分が欠陥人間だと知った今、もう彼女のためにただ許しを求めるしか出来ない…ってふうに感じる。
つまり「ボクもだ」は「君を傷つけるような事をこの自分がしてしまうのは、ボクはもう嫌だ」であって、精神分裂病のように自我が自分自身から乖離している。更にいえば「(この精神の病から)助けて」にも聞こえてくる。あくまでも「浮気する方も結構つらいのよ。お互い様ってことで、いいじゃん」って意味じゃないと思う。
でも、ただのHなコメディかもしれない。最後の3分で急に意味のある映画に見えたけど、そういうメッセージがあるなら最後の数分までそれを微塵も感じさせないのも変。いや、でもわざと狙って…?それとも、こんな映画にラスト4文字のセリフでここまで考え込む自分がもう病んでる?
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