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[コメント] キング・アーサー(2004/米)

男たちに「華」が足りない。キーラ・ナイトレイひとりでは補いきれないね。ヒゲづらばかりなんだもん。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
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とってもお気に入りの俳優、クライブ・オーウェン。とっても頑張っていたと思うのだけど、「王」という役どころは、彼には向いていないといわれても仕方が無いのかも。どちらかといえば「忠」のほうが向いているかもしれない。「王」にするなら、ランスロットのほうを、もう少し華やかな俳優(クリスチャン・ベイルとか、ガイ・ピアースぐらいの)にしたら、バランスがよくなるのに。でもこれは私の「イメージ」の問題かもしれない。そういう意味では、JB氏による「大抜擢」は、今後の活躍を期待させるには十分。もうすこし喜怒哀楽の「楽」を表現できる役を、今度はもらいましょう。でも「007」はいやだなぁ。

キーラ・ナイトレイは、すでに大物。すっかり貫禄が身についてます。彼女一人がスクリーンに映るだけで、随分明るくなる(むさい男ばかりだから特に)。彼女の「戦闘モード」は圧巻。

もう少し「円卓の騎士」たちの描き分けをして欲しかった。トリスタン、ガウェイン、ガラハッドの見所も少ないし、同じヒゲ面、長髪なので、区別がつかなくなりそう。(実は「魔術師マーリンと、サクソンの大将セルディック」もごっちゃにしてた)。見ている時には気づかなかったけど、彼らのことは最近別の映画でみていた。トリスタンのマッツ・ミケルセンは、デンマーク映画『しあわせな孤独』で不倫におぼれる中年医師を演じていたし、ガウェインのジョエル・エドガートンは『トゥウェンティマン・ブラザーズ』でガイ・ピアースの弟を演じていたし、ガラハッドのヒュー・ダンシーは『スリーピング・ディクショナリー』でジェシカ・アルバとベッドシーンを演じていたし、ランスロットのヨアン・グリフィズも『ギャザリング』でクリスティーナ・リッチとベッドシーンを演じていたのを見たばっかり。セルディックのステラン・スカルスガルドも含めて、素顔が見えず、誰が演じているのか、まるで気がつかなかったほど、ヒゲと長髪にあふれている。

全体としては、「見ごたえがたりなかった」印象。JB氏的大作にありがちな「長いだけの駄作」までは行かないけど、偉大なる「アーサー王伝説」の片鱗は感じられなかった。この映画の「前」と「後」があるかもしれないが、王だけでなく、騎士たちまでが「伝説」と「逸話」であふれる、壮大な物語は、どこへいった。

個人的には「アーサー王の墓石」の話を「マイ・フレンド・メモリー」で知って以来、興味があっただけに、残念。これ3部作とかにして、もっと脚本を魅力的にして、「指輪」のような一大抒情詩にできるのでは?ただ、アーサーを「無敵超人」にするのではなく、騎士たちを束ねる「最強軍師」として書かれているところだけはよかった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)死ぬまでシネマ[*]

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