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[コメント] 華氏911(2004/米)

映画という媒体の計り知れないパワー。プロパガンダ云々より、もっと根底にある「伝える側と、それを受け取る側」のお手本みたいな映画だ。その凄味を感じつつ、マイケル・ムーアがいちアメリカ国民として警鐘を鳴らす姿を堪能した。
ナッシュ13

自分には政治を隅々まで理解する能力がないから、なんとも抽象的なコメントになってしまったが…しかし、本当に見応えのある作品だったことは間違いない。何かの雑誌のインタビュー記事で、ムーアは「映画は楽しむためにあるもの」と語っていた。そして鑑賞後、頭の中を駆け巡るのは「何とも言い様が無い空しい気持ち」だった。「ちょっと待てよ、ムーアさん違うじゃないか」とその直後は思ったものだ。しかし、余韻に浸りながら精一杯の思考回路で頭を働かせて見る。すると…映画という存在の無限に広がる可能性に気付くことが出来たのだ!一口に「楽しむ」とは言え、胸がときめく場合だけが楽しいんじゃない。様々な感情に秘められた「楽しい」が存在するのだ。ムーアの反戦映画において、僕はそんなことを気付かされてしまった。

決して笑って観てられる映画ではない。しかし、コメディ映画に近い凄味を秘めている。ドキュメンタリーだろうけど、ドキュメンタリーではない。ムーアの映画は、未だかつて無いオリジナルのジャンルなのかもしれない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ナム太郎[*]

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