[コメント] ぼくセザール 10歳半 1m39cm(2003/仏)
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そうですよ。監督がコメンタリーで「この映画は『大人は判ってくれない』と比べられるけど 『突然炎のごとく』を真似たんだ」と言っていました。
この映画のDVDですね。特典映像が充実してるにも程がありますよ。メイキング、監督のコメンタリー、子役のコメンタリー、ジョセフィーヌ・ベリによる父親へのインタビュー、予告編(フランス・日本)メイキングだけで一時間あったので疲れてしまいました。
よく出来た映画でしたね。冒頭のお葬式のシーン。コメンタリーでは、触れてませんでしたけど、棺に大きなユダヤの星が付いてましたね。みんな白い小さい帽子かぶってました。
セザールくんはユダヤ系なんですね。それから雨が突然降ってくる。みんな雲行きが怪しい思って傘ちゃんと持ってきてるの。黒い傘。ひとつづつ開いていくと同時に、キャメラがゆっくり俯瞰になっていって最後の一つの傘。ピンク色してるの(笑)
そこでクレジットの最後の文字が出るのね。あれ『シェルブールの雨傘』でしょう?フランスの監督は粋やね(笑)そこから雨の滴が落ちて波紋になってフェードインする。
波紋からトイレのオシッコにフェードインなんて、この人のセンスただものやないね。オシャレなんか下品なんかよくわからん(笑)
このリシャール・ベリいう人トボケてるけど『大人は判ってくれない』も当然意識しとるやろね。『大人は〜』は子供が「母が死にました」いうシーンあるの。辛いなぁ。
この映画では、子供が親が本当の事言わんもんだから「お父さん刑務所入った」思うの。子供の想像力はスゴイなぁ。監督さんも言ってるけど「子供には何でも正直に言わなアカン」という教訓が込められてたんやね。エライ人やなぁ。
セザール役のジュール・シトリュックも上手かった。お母さん役のマリア・デ・メディロス良かったね。この人『パルプ・フィクション』でブルース・ウィリスの恋人の役やってたね。セザールの夢の場面にも『パルプ・フィクション』使われとったなぁ。遊び心があるね(笑)
モルガンマボ・クヤテのお父さんを探しに子供三人でロンドンへ行く。このへんが子供版『突然炎のごとく』なんやね。ロンドンでお父さんを探す冒険の途中でグロリア役のアンナ・カリーナと出会うんだなぁ。
鼻にピアスなんかしてパンクロッカーやね。『気狂いピエロ』とか『男と女のいる鋪道』の頃の面影ないのね。ジャン=リュック・ゴダール見たらなんて言うかな(爆笑)
「見かけのエキセントリックな人は子供に優しい人の事が多い」ええ事いうね。人は見かけで判断したらあかんね。今は普通の格好の人が危ない時代やからなぁ。
ロンドンからフランスへアンナ・カリーナついてきちゃうの。子供達が心配なんやね。いい人でしょう。ラストがまたいいんだなぁ。風船がファ〜といっぱい飛んでいくの。法律で50個以上は、飛ばしたらいかんのだそうだけど、デジタル処理でたくさんに見せてるんやね。
そこで「fin」が出るの。昔『赤い風船』いう映画あったの。フランスの短編映画だけどね。あれを思い出したなぁ。思わず拍手したくなりました。
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