パオの愛くるしさがこの映画の何割かを救っています。彼（＝犬コロ）がいなければ、より壊滅的な作品になっていたことでしょう。いやマジで。

アユ役の重泉充香は棒読み台詞にオウム返し、ロボットみたいなギコチない動作で、開始早々はめっさ不安になりますが、慣れとは恐ろしいもので、次第に彼女の演技もそれほど不自然に見えなくなってきます。（周囲にもっと「不自然なこと」が満ち溢れているためとも言えますが）

お話はたいへんホシュピタル、往時の大映や野島伸司脚本のTVドラマをより安く拙くしたようなもので、それだけならまあ作り手よりも（こんなものを敢えて選択した）自分を責めるべきとは思います。

しかしラストに出るテロップが余りにも倣岸不遜で、さすがにわたくしもヤクザな気分になりました。通らないだろ、幾等なんでも、それは！