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[コメント] 機関車先生(2004/日)

坂口憲二は映画初主演、口が聞けない役柄というのを考慮すれば、演技は頑張っていたと思う。ただ主人公の映画での立ち位置が弱く、存在感が薄い。
わっこ

**ネタバレ注意**
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口が聞けない教師と子供たちとの交流を描いた映画。

よそから来た主人公が保守的な島民たちから徐々に受け入れられてゆくというやや典型的な展開だが、障害を持つ教師の主人公を子供たちが障害に関係なく純粋に受け入れてゆく姿に温かみがあり感動的。

主人公、誠吾役坂口憲二は映画初主演、口が聞けない役柄ということを考慮すれば、純朴そうな表情など演技は頑張っていると思う。ただ、映画の中のキャラクターの立ち位置が弱く、全体的に存在感がやや薄い。そのせいでせっかくいいポジションにいるのに、演技や物語の主導権は子供たちに持ってかれてしまっている。

そのことが特に印象的だったのが、この映画で中心に描かれていることが過去の事故で障害を負ったことにトラウマを残し、剣道大会に出場しようか思い悩む主人公の葛藤よりも、なんとか誠吾に島に留まって欲しいと願う子供たちだというところにある。

後半の展開を考えると、本来なら誠吾を話の中心に持ってゆくべきなのだが、誠吾が島民に受け入れられる部分や祖父とのわだかまりを解けるところをあっさりと流してしまうところからして、元々は子供たちが話の中心で、誠吾の扱いは意図的に少し低くしたのかもしれない。

(評価:★3)

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