[コメント] ポリス・ストーリー2 九龍の眼(1988/香港)
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全体通して観たときに、映画の目玉となるようなスタントがないんですよ。例えばビルから落ちるだとか。いや、落ちればいいってもんじゃないんだけど。でもね、真面目な話、映画として観るとクライマックスは廃工場爆発ってことになるじゃないですか。だけどやっぱりジャッキー映画のクライマックスはアクションであって欲しいんです。「うわっ、すげぇ!てか痛ぇ!」って言いたいんです。
また全体的に悪役の怖さ、強さが不足気味です。最初に彼ら全員が揃うシーンがジャッキーのラブレターを読んじゃうシーンなので、何かいきなり品位が低くて、どうしてもずいぶん安い感じを受けるんですよね。しかもその中の最強格がアパアパ君ってことになると、キャラクターがコミカルな分だけ、どうしても「九龍の眼」なんてイメージとは程遠いただのチンピラ集団に見えてきちゃいます。
結局上の二つの弱点のせいでクライマックスでの爽快感がかなり抑えられてしまっており、ジャッキー映画としては何となくおとなしく、何となくメリハリに欠ける印象の作品になってしまいました。
とはいえ、あくまでそれは「ジャッキー映画としては」というレベルでの話。格闘シーンで彼と相手が見せる痛みを伴うアクションは、相変わらずもの凄いです。裏路地で車を跳び避けるシーン、鉄パイプでの乱闘シーン、どれも普通の人間はやりませんしできません。僕があれをやれと言われたら泣きながら帰ります。アパアパ君の足技だって目を見張るくらい美しい。上記の「目玉となるスタント」だって、ジャッキーだから期待しちゃってるだけなんです。他のアクションスターにはそんな期待ハナっからしません。そして実際ジャッキーはそれに応える覚悟で挑んでくれている。
それだけに、それだけになんです。それだけにそれらを活かせるだけの熱いクライマックスがあれば、みんなの痛みや訓練がもっと報われたのになぁと、ちょっともったいなく感じた作品でした。
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