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[コメント] ドラゴン怒りの鉄拳(1972/香港)

ブルース・リーの付加価値のお蔭で例外的に観られる抗日映画。本当に大日本帝国って碌でもないですな。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「日中関係を考えるうえでは微妙な作品」などというコメントが本作に対してある。アジアで山のように創作された抗日映画は、こういう意見が多数なために本邦では滅多に観られず、反ナチ映画ばっかり観ているという歪な状況が続いている。私はなぜなのかよく判らないのだ。ここは日本であり大日本帝国ではない。大日本帝國の遺物など総否定して然るべきだと思っている。本作を観て日本が批判されていると「微妙」な気分になる日本人とは何なのだろうと疑う。

「大日本帝国に全てを捧げるつもりです」と卑屈に笑う三木のり平そっくりの太鼓持ち中国人。ここで日本と云わず大日本帝国と云わせている処に製作サイドの配慮を見なければいけないのだろう。彼は将校に爆笑されながら、宴席から犬の真似して這って退出する。 上海租界の門、「犬と中国人は立入禁止」の貼り紙があり、インドのターバン巻いた門番が立っており、西洋人の飼い犬は通される。日本の空手道場から届く「東亜の病人」なんて額ももの凄い。そしてアクションのスピード感は今観ても画期的に素晴らしい。

さらに、本作のOPタイトルは大傑作。原子心母みたいなジャイアント・ロボみたいなテーマ曲に乗って起き上がりの漢字がメラメラ煌めき続けてエキゾチックこのうえない。ここだけ10回ほど繰り返して観てしまった。

(評価:★5)

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