[コメント] エイプリルの七面鳥(2003/米)
「感謝祭の意味」と「家族の物語」を交錯させながら、アメリカのあり方までをも問う傑作なのに、身近でこぢんまりとして抱きしめたくなるくらい愛おしいのです
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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2つのお話しが対比されて描き出される
一つは
家族を迎え入れるために七面鳥の準備に奔走するエイプリル。
彼女は同じ場所を上に下に行ったり来たりする。
ここで「感謝祭とは何なのか」そしてその意味を忘れてかけいるアメリカの現状を描き出す。
そして、黒人や中国人に助けられて、感謝祭の由来を自ら体感し、共有しながらみんながつながっていくのだ。
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もう一つは、
郊外の自宅からニューヨークのエイプリルのアパートに向かう家族たち。
彼らはながーい距離をひたすら移動する。
郊外に住むごく普通の家族が、抑圧された思い出に打ちのめされながら、閉じた世界から開かれた世界へ向かう姿を描き出す。
でも最後には心の奥底にある本当の思い出を呼び起こされて、エイプリルに会いに行くのだ。
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そして、この作品の本来の軸は「感謝祭とは何なのか」にあると思う。
感謝祭の本当の意味を理解し合う時、白人も黒人も東洋人もみんながつながり合い、そして家族の関係も社会の束縛から抜けだし、開かれた世界へとみんなで一歩を踏み出すのだと。
こうした「感謝祭」や「現代アメリカの家族」という大きなテーマを、こぢんまりと身近で切なく愛しい物語として描き出している。この脚本の素晴らしさは一体なんなのだろう。
でも、なにより、私にとってホントに愛しい愛すべき作品だということが大切なのですが。
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