[コメント] クライモリ(2003/米)
綺麗すぎるホラー映画。こんな時代に「えらい、よくこんな映画を撮った!」と涙を…いや、血を流しながら拍手を送りたいわ(笑)。この手法=オマージュと捉われるのは仕方ないにしろ、これだけ恐怖演出に徹底していれば傑作も出来うるのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
最近、めっきり減ってしまったオリジナルの殺人鬼モノ。謎の殺人集団の真相を徐々に暴く…そういった箇所は少ない。謎を排除し、徹底的にノンストップで繰り広げられていく殺戮劇。余計なプロットが無いというものはこんなにも効果的なのか。殺人集団に関して、冒頭の新聞記事だけがヒントになっている。それ以外は正直よく分からない。あとは恐怖の追いかけっこを楽しむのみ…なのだ。
スプラッタというよりもゴア。プロットもそうだが、演出も結構狂っていらっしゃる。人間味を感じさせる(マスクの)殺人鬼は恐怖を煽る。例えばジェイソンやマイケル・マイヤーズのような「無口」ではなく、かといってフレディのように「饒舌」でもない。一応、仲間間では鼻息を荒げながら「ウーウー」言っているのだが、なんともそれが怖い。え?お前何しゃべってんだ?という不気味な設定が痛烈。特に若者が山小屋で隠れるシーンは衝撃的だ。口を裂かれ無惨な姿に成り果てた仲間を見て悲鳴をあげそうになるジェシー。対照的にわけもわからぬ言葉で、おそらく“最高な気分”だろう殺人鬼の「ウーウー」という言葉が怖くて堪らない。そんな恐怖がこの映画には見え隠れしている。最近では少なくなった、恐怖演出のセンスさえ感じられる渾身の出来だと思う。
ネタ的にはロブ・ゾンビの『マーダー・ライド・ショー』に似ているところもあるが、個人的には絶対にこちらをお薦めする
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (3 人) | [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。