二コール・キッドマン主演の、サスペンス風ブラックコメディ、という触れこみだったが、なかなか風変わりな雰囲気の映画で、あえて言えば、『ウエストワールド』＋『ボディスナッチャー』といった感じのＳＦチックなサスペンスという方が正確かもしれない。

街の住人を丸ごと変えてしまい思い通り操る、というのはＳＦとしてはさして目新しくないし、この映画では、けっこう早い段階から、それを連想させるシーンが出てくる。だから謎解きの面白さはないしもうちょっとひねってもよかったかな、とは思うが、ラストについては、それなりに工夫した感じで嫌いではない。

クビを言い渡されて微妙に表情を変えるキッドマンや、ステップフォードへ向かう車の中で死んだようにうなだれて落ち込んだキッドマン、かいがいしくキュートなエプロン姿のキッドマン、と彼女の七変化が楽しめてよかった。

なお点数のほとんどは二コール・キッドマンに捧げてあります。