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[コメント] 喜劇 女は度胸(1969/日)

清川虹子の造形と終盤の白熱が見事。ゲーテの引用が泣かせる。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







沖山秀子 のアパートの扉、河原崎建三 のドタバタで割られた硝子が、破片を窓枠に残したまま放置される。こういうのは気になる。普通は片付けると思うが、「放っておきなよ」と沖山が云ったきり、誰も気に留めずに鍋などつつきはじめる。

処女に拘る河原崎だけはその場を逃げ出す。してみると、硝子は破瓜の象徴だろうか。全編松竹リアリズムのなか、ここだけぽっかりと穴の空いたような違和感が心に残る。

ゲーテの引用は次のとおり。「泪とともにパンを食べたことのない人、悲しみに満ちた幾夜をベッドで泣き明かしたことのない人、そういう人たちには、真実というものは判らない」清川はこれに賛辞を贈る。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)KEI[*] ぽんしゅう[*]

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