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[コメント] 2046(2004/中国=仏=独=香港)

ウォン・カーウァイは苦手な監督だが、『2046』は悪くない映画だ。 しかし、映像美だけにあまりに頼りすぎたいつも通りのスタイルは、やっぱり好みじゃない・・・。
Keita

ボクはウォン・カーウァイの映画は基本的に苦手である。むしろあまり好きではない。ドラマをしっかり描写しているわけではないのに、映像だけは妙に耽美主義で語っていく演出がどうも鼻につく。

過去の採点は・・・

花様年華』:2点

ブエノスアイレス』:1点

天使の涙』:1点

という実に極端な採点をしています。 じゃあ、『2046』は3点で過去最高点ですね・・・確かにそうです。でも、映画を観る上では状況の違いも重要です。『2046』はスクリーンで観たということで、批判している映像美ではあるが家庭のテレビとはやはり大きな違いがある。スクリーンで観れば、『花様年華』も3点になっていた可能性も否定はできません。

2046』を観終わって一番の感想は、「あ、カーウァイの映画だなぁ」という素直な一言。出来は悪くないと思います。ただ、作風自体が好みではないので、良かったという感想はボクの口からは出ません。 出来は悪くない映画だが、映画全体として統一感がないのが問題に思える。60年代の香港と空想世界の未来という2つの空間が融合しきれていない。コン・リーチャン・ツィイーなど豪華女優と主人公トニー・レオンとの恋愛関係もひとつの作品の中としてはうまくまとまりきれていない。その点で、『花様年華』の方が恋愛としてすっきり関係をまとめていた。

木村拓哉を除く役者陣は役割をしっかりこなしていたが、その分映像美だけに頼って語られる恋愛描写の厚みのなさが露骨に出る。それも含めてウォン・カーウァイの映画。

しかし、少し話題性があるために間違って観に行ってしまった観客が言うであろう、「ワケがわからないからつまらない」という感想をボクは言いたくないのです。かと言って「アジアの巨匠、素晴らしい!」という感想もボクはこの監督には言いたくないのです。よって、その2つの感想の中間点に落ち着くのがボクにとっては1番なんです。

(評価:★3)

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