[コメント] いま、会いにゆきます(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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これがなかなか、ポイントをしっかり押さえた演出で丁寧に作り上げた良心的な作品。
最初は、妻を失って幼い息子と二人残された夫の話かと思っていた。事実、ヒロインが登場するまでは(登場してしばらくしても)、夫・巧と息子が中心となってストーリーを引っ張っていく。
その後、話が展開するにつれて判明する「交通事故でタイムスリップ云々」というのはさすがに突飛に感じたが、その事故で運命を悟ったヒロインが巧に会いにいき、ひまわり畑で彼と対面するシーンに至っては、明らかにヒロインの方がリーダーシップをとっている。
つまり、タイムスリップで「未来の自分」を6週間経験してきたヒロインは、それだけ巧よりも立場が上になっているわけであり、ヒロインが巧をお姉さんのように包みこむのは自然なことで、ここらへんの演出は上手いなあと感じる。
傍役もなかなかいい味を出していて、とりわけ市川実日子演じる巧の同僚がいい。妻が戻ってきて浮き浮きしている巧に「誰かいい人が現れたんですか?」と(よせばいいのに)聞いて「そうです」と返され、傷付いた様子で機械的に仕事をするシーンなど、ベタではあるけれどもそれがまた良い。
残念なのは彼女の出番が思ったよりもだいぶ少なかったこと。希望を言えば、ヒロインの高校時代だけじゃなくて、回想シーンは全て彼女に演じてほしかったところ。まあ無理だろうけど、でも、せめて大学時代くらいは…。
あ、「彼女」というのは大塚ちひろ嬢のことです。
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