[コメント] 悲情城市(1989/台湾)
この映画があって本当によかった。ひとつ大きな見落としをするところだった。
ほかにもまだまだ見落としはいっぱいあるだろうけど、それにしたって我々日本人がこれだけ大きく関わっていたことでさえ全く気づけなかったなんて、そのこと自体、この映画を観た今となっては信じがたい、というか、信じたくない。でも、この映画を観るまではまるで知らなかった。台湾についてのいろんなこと。
考えよ、の前に、まず、目を向けよ、だ。見なくていいものもたくさんあるけど、見るべきものはもっとたくさんある。
ただ、一つ残念なのが言葉のこと。この映画に過剰なリアリズムを求めているわけではないが、もう少し上手な日本語が出てきたりしたら、我々にとってはさらに突き刺さるものになったかも知れない。当時の台湾人は知識人とか若い人ほど日本語が達者で、日記なんかもみんな日本語だったらしい。でも映画の中では、普通に日本語しゃべり出しそうなのはじいさんの方。そこまで求めるのは贅沢だとわかりつつもそう思ってしまうのは、台湾語、日本語、北京語のグラデーションこそが、歴史に翻弄され続けた台湾の姿そのものとして見ることができそうだったから。
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