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[コメント] 風櫃〈フンクイ〉の少年(1983/台湾)

ホウ・シャオシェン監督は同じ台湾人監督のツァイ・ミンリャンに通じるところがあるのかなあ。登場人物たちやそのバックグラウンドはかけ離れているけれども、静かに流れる時間とか、キャラクターを立てないことで過度の感情移入を拒否するとことか。
モモ★ラッチ

もしくは孤独が怖いのでたくさん家族とか親戚を出すのがホウ監督で、孤独が怖いのでとことん孤独な人たちを描いてしまうのがツァイ監督とか。

阿清と同じ青春は送らなくとも、将来への漠然とした不安を持ちつつ、何かができると思っていた時代があった。それは自信とはかけ離れたものだった。そう、自信なんてないんですよ、若者には。

楽観と悲観、期待と幻滅の繰り返し。でも何かやれるとは思っていた。そんな気持ちを持たなくなったのはいつからだろうか?いつからか出来る事と出来ない事の区別をつけ、やらないことを増やしていった。そんな状態にいる人間からすると、ホウ映画の登場人物には嫉妬さえ覚えてしまう。

川の流れに草は青々』、『冬冬の夏休み』、『童年往事・時の流れ』、『風櫃<フンクイ>の少年』、『恋恋風塵』…この監督の良さを一言で表すとしたらときめきかな。そう、あのドキドキ感。それを、誰もが経験したであろう最大公約数的なものに集約して見せてくれる。だから共感を得るんだ。

でもこの監督、最近の映画のほうが採点者も少ないし平均点も低いんだよなあ(僕も見てない)。『悲情城市』がピークだったのかな。僕は『悲情城市』を最後に見なくなってしまった。どこか手の届かないところに行ってしまった様に思えたので。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)ジェリー[*] ina evergreen[*]

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