[コメント] きらきらひかる(1992/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ただ水面を見ている限りは、透明で時にきらきらひかる光の戯れを見たりもできるのだが、いざ抱きしめようとすると指からすり抜け、途端に手応えを失う。個人的にはまさにそんな印象。
微妙なバランスの上に成り立つ三人の関係。そのうちの二人が強く衝突したとしても、残りの一人がはたらきかけて元のバランスに引き戻す。そんな関係と言えば良いのか。そしてその三人の関係は、その間にある程度の「距離感」を前提として成り立っている。この映画を流れるある種の透明感は、均衡を破って濁ることのない人間関係ゆえというような気もする。実際濁りを拒むかのように「間」を意識したセリフ回し一つとっても、この映画の中で「透明感」というものにいかに注意を払われているかが分かる。
この映画の中の三人は、それぞれが互いを求めているというよりは、それ以上にその間にある距離感、それによって成り立つ「均衡」を愛しているのではないだろうか。簡単に言ってしまえば、それぞれが周囲の干渉を拒む(拒まざるを得ない)人たちが見つけた、自分が自分でいられる心地よい人間関係。個人的にはあまり興味の湧かない世界なのでこの点数に落ち着いてしまうが、人によっては4点、5点にもなり得る映画なのだろうなぁ、とも思う。
最後に。ゲイ・ムービーと言われているが、別にゲイをテーマにした映画というワケではなく、ただ単に社会的な常識の干渉を受けやすい存在として「ゲイ」が選ばれている、それだけのことだと思う。
(2002/9/23 再見)
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