[コメント] ボーン・スプレマシー(2004/米=独)
スプレマシーと言われてもピンと来ないけど、原作のタイトル「殺戮のオデッセイ」にしてもピンと来ない。まだ「ボーンはごきげんナナメ」とかにした方がわかりやすい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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supremacyというのは直訳すれば「至高」「優位」「主権」「支配権」となるのだが、この物語の中身から察するに「ボーンを支配するもの」あたりが無難な訳になるかと思う。
ボーンを支配するのはCIAなのか、過去なのか、女なのか… いや、彼を支配するものは誰でもない自分自身だ、とかいう流れでしょう。中盤で「彼は思いつきで行動しない」というようなセリフがあったかと思うが、暗殺者部隊を抜けた彼は、自分自身の行動を自分の責任で決定して実行する生活をするようになる。そこには大きな失敗もあれば、精神的・肉体的ダメージを受けたりもするが、それでも自分で乗り切らなければ何も解決しない、というのがこのシリーズのキモでもあったりするんじゃなかろうか。
ヨーロッパ・モスクワロケ撮影も見事で、そこでのカーチェイス・シーンなど目を見張るものがあるが、その裏には、長いものに巻かれず、過去に犯した罪を清算するというのはどういうことか、というものを表現しようとする製作者側の意図が見え隠れする。気がする。
映画なのだから、という言い方は安易かもしれないが、必要以上に映像のリアリティを追求するよりも、素直に物語を楽しんでいたい。そういう点において私はこのシリーズは見た目が派手な割には地味に物語を楽しめる好きなシリーズである。次回作も楽しみだ。
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