[コメント] ジャスティス 闇の迷宮(2003/米=スペイン=英)
原作の「魔術的リアリズム」を画面に定着させることを通じて、忘れてならない記憶を人々に定着させたい、という志には共感するが、結果は志半ばにして・・・
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「自由なイマジネーションこそが暴力的圧政に対する武器である」というテーマであるのに、この映画は観客のイマジネーションを解放せず、結論を一定の方向に誘導しようとするように見えてしまう。
つまり、観客は主人公カルロス(アントニオ・バンデラス)が遭遇する悲劇に同情し、圧政に対して怒りを覚え、カルロスの行動に共感することを、前提として強いられてしまう。製作者にしてみればそんなことは当然のことなのだろう。でも、正直に言えば、これではカルロスは自分勝手な判断と行動を繰り返して周りの人間を不幸に巻き込んでいくだけにしか見えなかった。
原作は未読だが、レビューを読む限りではそのあたりの事情は映画とは違うようだ。アントニオ・バンデラスというスターを起用することで、却って作劇の焦点がぶれてしまった感がある。結局は、監督の人選を間違えた企画、と言う印象。
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