京都で４年間学生時代を過ごした。（１９８４〜８８）まだ京一会館が残っていて昭和の残り香を呼吸する事が出来た。『パッチギ！』では映画館のシーンが良い。「バーバレラ」「猿の惑星」上映されていたのは「女体の神秘」という性教育映画だと思う。京大西部講堂のアジ演説集会のシーンが良かった。この作品は主人公と同じ５０年前後に生まれた世代の共感を生むだろう。

　オダギリジョー演じる坂崎という放浪青年が良かった。光石研の熱血教師も竹中直人では出せない味が出ていて面白かった。暴力シーンが強烈なので見終わったあと疲労感を感じる。ラストのＫＣＢ京都で放送禁止曲「イムジン河」を塩谷瞬が借りたギターで泣きそうになりながら歌う。そこにカットバックで出産シーン、乱闘シーンが重なる。ラジオを持って「コーちゃんの歌！」と喜ぶキョンジャ沢尻エリカ。感動のクライマックスなんやろうなぁ。感動せんかったけど（笑）