俺はそうは思わなかったなあ。基本的に“驚愕のラスト”とか“してやられた！”みたいなものをそれほど重要視してないので（まあ、あればあったでそれはいいんだが）。終盤までの、ある意味節度を保ったグレーゾーンな展開・緊張感からすれば、非常に好感の持てる節度あるラストだったと思う。

子供を車で撥ねて死なせてしまった・・・。まだ激やせ前の、多分人並みに幸せだったであろう主人公が車窓から見せる一瞬の狼狽ショット。

クライマックスにおけるあのショットに、それまで散々見せられたその後３６５日の葛藤（謎）がドワ〜ンとオーバーラップしてくる。激やせも効果的だった。全てはあの一瞬のショットの為にね。

あと、勤めている工場の駐車場・空港のカフェ・遊園地など、映像の色褪せ具合も相まり、悩める者の心象風景としても非常に巧く撮っていると感じた。こういう低体温系の映像は妙に惹かれてしまう。