[コメント] サスペクト・ゼロ(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
宣伝に『セブン』の名を使うのも意味不明で、この話はむしろ『X−FILE』に近いような気がするのだが…。
これだけの地味なキャストを集め、それでも公開前はアメリカでもちょっと話題になった作品ということもあって、脚本勝負のサスペンス作品だと思っていた。しかしながら思い切り期待を裏切られてしまう結果に(注目されたのは、まさかキャリー・アン・モスがヒロインだからってことは無いよなぁ?!)。
おそらく前半が好きな人と後半が好きな人、大半はこの両者に分かれてしまうかもしれない。前半は猟奇殺人の幕が開けられ、その死体に刻まれたゼロの文字の謎と全力で解明を急ぐトムの姿、そしてこちらも謎の男オライアン…という構図がある。次々にヒントを叩きつけられるトムが原因不明の頭痛に悩まされながらも(これが後に伏線となるが)捜査を展開していく。どこにでもある展開だが、この手の映画の基本だしそれなりに楽しめてしまうのがコワイところ。
……そして、何故か後半になると超常現象の世界に突入してしまう(苦笑)。遠隔透視能力というあまりにも現実離れしたネタを提供され唖然としてしまった。オライアンが感じてしまう犠牲者の苦悩…というよりも、そんな能力が身についている俺に構ってくれくれ的な展開だ。そんなわけで後半は事件の解明よりもオライアンを重視にしてラストへの「つじつま合わせ」が描かれているだけ。結局かなりダラダラと展開していく為か、謎を頭の中でうまく整理できない点もちらほら。トムと遠隔透視能力の関係なんか特にね。
アーロン・エッカートも悪くないしベン・キングスレーの威圧感も大したもの。ただ、キャリー・アン・モスはヒロインにしては年齢が高すぎ。華を添える意味でもっと若い女優を起用したほうが良かったかと。地味が地味でしかないのは致命的だ。
どうも納得のいかない作品。
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