[コメント] ローレライ(2005/日)
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予算の都合で安っぽいCGなのは仕方ないとして、潜水艦があり得ないくらいに強い。まるで宇宙戦艦ヤマトのような・・・いや、弾に当たらないだけこっちのが強いかも。ローレライの正体が女のコ(どう見ても日本人なドイツ人)というのもマトモな潜水艦映画を期待していた人間としてはブッ飛びだったが、意外なのは、それ自体が別にたいして役にも立ってなかったこと。
なにせ、ローレライが切り離された後も潜水艦は無敵の快進撃を続けるし、魚雷・爆雷が当たらない当たらないw 潜水艦一隻で米艦隊に対抗できちゃってるし。しまいには、滑走路を破壊して阻止するハズが、飛び立った爆撃機を手動の艦砲でピンポイント射撃。すいません、それって対空砲じゃないッスよね?いやはや、自衛隊はパトリオットを導入するよか、ピエール瀧を雇った方がよさそうだ。
「第一区画、艦長についていきます」「第二区画・・・」「第三区画・・・」
なーんて感動シーンも潜水艦映画にありがちだし、実際、この夜にレンタルで観た『K−19』でも同じ場面が出てきた。しかし、派手な海戦や突拍子もない新兵器を繰り出すわけでもないのに、何故に『K−19』の方が完成度が高くておもしろかったんだ?洋画だから?実話だから?カネをかけているから?いやいや、そうじゃないでしょう。原作を読んでいないので感動シーンがパクりなのかわからないが、そもそもこれは原作通りなのか。だとしたらこんな作品の原作って・・・。
まるで怪獣物。怪獣物は怪獣物として割り切って見られるが、変に戦争反対・米国追従への批判なんかのエピを絡ませちゃってるのがイタい。フィクションとノンフィクションの際って、描くのがとても難しいと思うけど、これって失敗ですね。原爆実験の副産物として突然変異した『ゴジラ』の方が、よっぽど戦争反対・原水爆反対というテーマに説得力をもつ。この作品って、いったい何歳向けなんだろう。子どもにはわかりにくいが、大人には子どもっぽい。つまり、そういうこと。
※役者さん達には、軍人の役作りのために自衛隊体験入隊をお勧めします。立居振舞から、ナリがまったく違ってきます。役所さんはタンカーの船長、妻夫木君は軍物を着たそこら辺の可愛い兄ちゃん、てな具合にしか見えませんでした。
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