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[コメント] ジョージ・ルーカスのTHX−1138(1971/米)

1971年にすでにこれを作っていた若きルーカスの才能を垣間見れる。低予算ならではの工夫でSF世界をしっかり築いているのに目を見張る。ロボットの造形や後半の追跡劇のスピード感はのちの『スター・ウォーズ』に繋がる部分がある。(2005.6.12.)
Keita

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 SF作品における自意識の探求というテーマはもはや使い古されているので今見ると目新しさはないが、1970年だと少し事情も違うだろう。THX-1138が自らの存在意義を探す話としてストーリーは首尾一貫しているし、コンパクトにまとまっている。今観てもその世界観も含め、十分に楽しむことができる。

 ストーリー上で面白いと感じたのが、予算をオーバーすることで追跡が終了されるということ。人間を生産手段としかみなしていない近未来世界が舞台で、人間の存在よりも予算が重視される。それが管理社会として描かれている。僕はここに消費社会への批判を感じたのだが、のちにブロックバスターを連発するルーカスの映画だけに今となっては自らへの皮肉にも思えて面白かった。

 しかし、正反対のタイプの映画ではあるが同じSFとして、この映画があの『スター・ウォーズ』の原点のひとつとも言えるかもしれない。後半の高速道路の追跡劇は『スター・ウォーズ』のクライマックスや『エピソード1』のポッドレースに通じるものがあると思う。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)シーチキン[*] ゑぎ[*]

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