[コメント] コンスタンティン(2005/米)
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革新的な描写で話題となった『マトリックス』(1999)により一躍映画界の寵児となったリーヴスだったが、『マトリックス』のネオのイメイージに固まってしまうことを恐れてか、最近は結構色々な役にチャレンジしていたようだったが、結局同じような役に舞い戻ってきてしまった。そういえば前にリーヴスは『ディアボロス・悪魔の扉』(1997)で悪魔との交わりを描いた作品の主人公もやってたけど、それとは違ってるんだろう?とか思いながら劇場へ。
まず一つ言いたいこと。
原作は読んでないけど、完全にこれ、ノリはアメコミそのまんまだ。しかも、リーヴスの性格を全く無視して原作の性格に合わせてる(のだろう)が、これがまず致命的な点。リーヴスは決して器用な役者じゃない。いや、役の狭さで言えばハリウッドスターの中では随一と言っても良いくらい。つまり、役に合わせることが出来ない人だということ。彼を主人公にするんだったら、脚本と演出で役の方をリーヴスの方に合わせなければならない。原作ファンにはどれだけ不評であろうと、映画として成り立たせるためには、そうしなければならなかったのに、根本的なその点を見落としてる。『マトリックス』のネオ役は確かに彼にはまっていたが、リーヴスをダークヒーローに仕立てるのは実に難しい。基本的にまじめな顔しかしないし、しかも無表情なんだから、マッチョな役は徹底的に似合わない。彼を映えさせるつもりなら、もっと感情的に繊細な役柄を設定しなければならないはず。対してここで描かれるコンスタンティンは悪魔や天使に対し、タメ口で、駆け引きするような役なんだから、心臓に毛が生えていて、更に精神までも筋肉で出来てるような人間でないと全然映えない。繊細なリーヴスにはとうてい出来ない。何のことはなく、一言で言えばミスキャストだって事…しかし、考えてみると、この人だからこれだけ宣伝できるのは確かか(笑)
物語は全く新味がなし。演出も最早見慣れたCGばかりだし、期待していた荒廃したロスの町並みも、単に炎が出てるだけで、目が痛いだけ。金をかけるんだったら、もうちょっと考えて欲しい。
概ね天使が出てくる作品は当たりが少ないけど、本作もまさにその通り。特に本作の場合は天使が人間的すぎるので、別段天使である必要が無かった。あと一ひねり、二ひねりが欲しかった。聖書的キー・ワードをバラバラに入れれば良いってもんじゃ無かろう?
別段怒るほどの作品ではないが、仮に本作がシリーズ化されたとしても、2作目以降は劇場で観ることはないだろう。人にお勧めする気も起きない。
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