[コメント] ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ(2005/米)
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この流れでどんでん返しを狙ったところで、斬新性も無くかなり無理がきている。 他作との差別化を図る上で、演技派の役者を揃えたのだろうが、演技に力が入る分、かえって不自然になっている。常に比較対照となるあの作品と比べると複線が雑で、本作は「え?」ともう一度見返したくなることはない。
絵は父親へのメッセージだったのだろうか? ダコタ・ファニングがチャーリーのことをデ・ニーロにもファムケにも我々鑑賞者にも秘密にしたのは不自然。あの作品の天才少年が「それ」を秘密としたことに違和感を感じなかったのは、2人の演技の差というよりは監督の演出の問題だろう。 ラストで彼女が描いた2重フェイスは、実はダコタも2重人格だった、という落ちなのかもしれないが、オマケ的要素でストーリに絡みきっていない。 隣人の亡くなったダコタ似の娘のエピソードも作為的で蛇足。
私は最初から、ダコタ・ファニングもファムケ・ヤンセも、そしてわれわれ観客も、この秘密を知っていて、デ・ニーロだけが知らない。つまり、デ・ニーロ自身は娘の治療にきたつもりが、ファムケに勧められて、デ・ニーロ自身のリハビリのためにあの村に来ていた。隣人はファムケの友人でカウンセラーだった。 ところが、エリザベス・シューの出現と殺害で思わぬ方向に。 デ・ニーロが殺害した確証は無い。 デ・ニーロを敵視する第三者(保安官ら)と最後まで守ろうとするダコタとファムケ。 ある切っ掛けで、デ・ニーロは真相をしってしまう・・・ デ・ニーロのみが知らない秘密が、デ・ニーロのみが知る秘密へと変わる・・・。
としたほうが良かったと思う。 そうすれば、落ちに惑わせられることもなく演技に集中できるし、その後のストーリーもいろいろ考えられるだろう。
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