[コメント] レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語(2004/米)
CGの進化に伴い、児童文学やファンタジー作品が怒濤の如く実写化される時代到来で、脚本や構成を練らずに映画化してしまったフライング気味な雰囲気は漂っている…。しかしエンドロールのイラストレーションやメインの悲しげなインストナンバーも世界観と妙にマッチしており余韻を残す。マコーレーやイライジャ、ダコタ・ファニングらみたいにハリウッドナイズされていない物憂げな子役たちが良い。ブラウニングは子役時代のシャナン・ドハーティーを思わせる控えめさと聡明さを自然に好演していたが、同じように道を踏み外すのだろうか…。彼女のゴシックなコスチュームのデザインは良い。キャリーは不必要なオーバーアクトが、くりぃむしちゅーの有田ばりに痛すぎて観ていてキツい。コメディアンのキャリーの起用よりジョン・マルコビッチやクリストファー・ロイド辺りが演じた方が、不自然さが払拭され、適度な文学性も醸せたかもしれない。キャリーは様々に変装しても、まるで違った風に見えないのが演技の幅の無さを露呈。作品によって悪人も善人も自由自在のコノリーや、与えられた役はどれでも的確に器用に演じてしまう天下のストリープとはレベルの差が歴然としてしまった印象。キャリーのギャグにしても本作品では不必要なのだが、クスクス笑えるのは得点映像のカットされたシーンにあったりするのが哀しい。それにしても比較的この手の役は敬遠していたように思うストリープが、グレン・クロースあたりに感化されたのか新境地を魅せてくれていて個人的には嬉しかった。末っ子のショートヘアーを無理矢理チョンマゲに結わえている赤ちゃんが、どつき漫才の正司敏江・玲児の敏江とイメージがかぶってしまい、映画と無関係に笑いが込み上げて困った(謎)。
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