[コメント] ミリオンダラー・ベイビー(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
30過ぎた彼女が、フランキーに無理だと罵声を浴びせられても、ボクシングに打ち込むマギー。寝る間も惜しむかのように黙々と…
僕は彼女が何故この年になってもボクシングに打ち込んでいるのか正直わからなかった。しかし、モーガン・フリーマンの仲介人が間に入ってか、フランキーとマギーがどんどん距離が縮まっていく過程がなかなか面白い。ライトなタッチでサクサクと進行していく映画に僕はポップコーンをほおばりながら映画を楽しんでいた。
後半にとんでもない展開に僕の手は止まってしまった。アクシデントでどうやら首から下半身にかけて完全に動けなくなってしまってるではないか。 病状はどんどん悪くなり、床ずれは起きるし、とうとう左足までも切断しなくてはならなくなった。
「ええっ?」僕は驚いた。こんな映画だっただろうか。先ほどまで夢に追い進んでいた彼女からは想像出来ないこの状況。しかも病状は絶望的らしい、僕も戸惑いを隠せない。「死んでしまうのか!?」
追い打ちを駆けるように、マギーの家族が来てペンの握れない身体に無理矢理サインを書かせようとしている。普通ならばフランキーが家族の誰かを殴ってでも止めそうな所を彼は何をすることなく部屋を後にする。そのシーンがやたらリアルで、印象的だ。そして彼女は下を切り自ら命を絶とうとする。なんという映像だろうか、あまりにも壮絶すぎる。
アメリカンドリームを夢みたシーンから、一気にたたき落とすような内容。なんなんだよ?僕はこの時、ハリウッド映画にありがちな奇跡を信じた。これは映画だ、このまま死んでいく彼女など観たくはないし、個人的な感情だが余りにもかわいそうだろ。助けてくれ!
僕の期待も空しく、フランキーの手によってマギーは死んでいく………
気分が悪かった。なんともやりきれない気分に言葉も出なかった。
なんなんだ?オレはこの映画に何を感じれっていうんだ!?命の尊さを訴えたかったのか?それともボクシングというスポーツの厳しさを教えたかったのか?人間としての尊重か?それとも彼女を「生かしたか」・「殺したか」を議論させたかったのか。そんなもんどうでもいいよ。純粋でひたむきな彼女をさんざん描いて、ここまでどん底に落とすことはないだろ(すみません、個人的な感情をそのまま書いてます)。
なんとかしてくれよ監督さんよ、ハリウッド映画なんだろ。彼女に少しでも奇跡を起こしてくれよ、頼むからさ…
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