『桃』… 淳子（長谷川京子）の14歳の時の回想シーンは、エロティックと言うよりエロキモって感じ、桃にまみれて。女の子の挑発的な眼差しも怖かったし。鑑賞中の私の顔はきっと苦虫を噛みつぶしたような表情だったと思う。「あの人もあたしもただやりたかっただけだよ」 と言う淳子の本意は私には分からなかったし、自分をちょっと”汚れ物”と思っている事も分からない。蝉時雨の鳴く夕焼け、桃畑にくる鳥を追い払う為の音が花火の音に似ていて…郷愁ある初夏の雰囲気はとても良いのだけれど…。

『太陽の見える場所まで』… なぁんとなく吹っ切れた女３人が野外でおしっこ。この感覚は何となく理解できる。男の人は引きそうだけど。

『夜の舌先』… 高岡早紀 のかなりな体当たり演技。が、この主人公正子。ちょっとセックスに囚われ過ぎやしないか？”チュウしたら、意外といい仕事しそう...”とか”あの指先でいじられたら、わたし凄い声出す”って思ったり、男と夢での情事に溺れるまでは分かるとしても、そのまま永遠の眠りについちゃう＝自殺ってねぇ。。悲しいな。

『女神のかかと』… これは可愛らしい話。ちょっと悪女っけのある美しい人妻。ちょっと小生意気なその娘に、 ませガキな少年。自分の母親と比べ、綺麗なお母さんで羨ましいなの枠を超えてたと思う。憧れかなー？とりあえず微笑ましかったデス。

『玉虫』… まさしくこんな女性、田舎には実在するんだろーなーと思った。。今迄 塚本晋也 が苦手だったけれど、この５作の中ではいちばん好きかも。 女（石田えり） は世間知らずで、じじい（小林薫）　に囲われてる感はあるけど、じじいを本当に愛していたんだろーなって思う。 けど、男（加瀬亮）とエッチしてしまうのとか分からなかったんだよね。男の本意もよく分からないし。でもそんなもんだよね、生きてると or 男と女って、不条理な事って多々起こるよな〜と妙に納得，受け入れられてしまった。 ただ、女に新しい世界観が広がったのは確かで。鑑賞後は何とも言えぬすがすがし〜い爽快感が残った。 この独特の空気感が良い。分からないなりに、何となく分かる気がするとでも言ーましょうか。

と言う訳で、１作１作は面白いんだけれども、期待していた”女の欲望や妄想を赤裸々に映像化”とはちょっと違ったのと、レンタルしてまでは観ない，TVで上映してたら観たい程度なので、この採点。

欲望や妄想を割と行動に移す人，移さず欲望・妄想で終ってしまう人とが居て、後者の方が多いと思っているので、女を主体としたそういう性をテーマとした物語が観たかった！

05.05.16@ﾁﾈﾁｯﾀ