どうやら『JamFilms』の一環らしい。 今をときめく人気女性作家の書き下ろし短編を、気鋭の監督達に演出させるという企画。 おそらく「女性も楽しめるエロ映画」を目指したのだろう。 通常オムニバスというのは、監督の特徴をバイキング的に少しずつ味わう場合が多いのだが、本作は「女優の格」を楽しむ結果となった。

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「桃」★2

姫野カオルコ（原作）×篠原哲雄（監督）×長谷川京子（三流以下女優）

「映像化しにくいものを書いて監督を困らせてやろうとした」という姫野カオルコ（彼女らしい）。 案の定全ての監督が敬遠し、「本当は小池真理子さんのがよかったんだけど、こないだやったから（『欲望』）」という理由で篠原哲雄が引き受けたという作品。 それほど原作の持ち味が生かされているのか分からないが、一見地味な演出の中、篠原哲雄らしい堅実さがあるのだろう。多分。

ハセキョーは美人である。美人であることは認めるが、台詞をしゃべるととたんに屁みたいな女優になる。女優というのもはばかられる。ただの屁である。 本作は、ただただ、野村恵理の体を張った演技にのみ支えられている。池内博之はいい役者になったと思うけどね。

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「太陽のみえる場所まで」★4

室井佑月（原作）×廣木隆一（監督）×大塚ちひろ（二流女優）

二流女優と書いたもののナカナカどうして。石井苗子、片桐はいりを従え堂に入ったもの。三者とも各人の個性が生かされ、室井佑月らしい話に廣木隆一らしい演出。 素直に笑えて楽しめた。

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「夜の舌先」★4

唯川恵（原作）×松尾スズキ（監督）×高岡早紀（一流女優）

ウワッ！高岡早紀いい女優だなあ。これいいなあ。高岡早紀とこんなことしてえなあ。

前２作まえでは「原作はどうなのかな？」「原作もこんな感じなのだろう」と意識できたが、この辺からそんな意識は無くなってくる。 それだけ映画のテンションが上がってくるのだが、ひとえに女優が支えている。 でもまあ唯川恵なんだな。「あの指でいじられたら、あたし、凄い声出す。」間違いなく彼女の書き物です（笑）。

最初塚本作品かと思った。その割に端々の感じが違うなあと。松尾スズキ、意外と上手いなあ。エロだと上手いのか？

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「女神のかかと」★4

乃南アサ（原作）×西川美和子（監督）×大塚寧々（超一流女優）

ドワッ！大塚寧々すごくいい女優だ。ビックリした。

唯一女性監督による、唯一の女性外（少年）視点の作品。 他の男性監督達は「脚に走る子供はいない」「この少年ヤバイよね」と言っていたが、その通りだと思う。あれはオヤジの視点だ。 正直、乃南アサはこの中で格下作家だと思っているのだが、唯一原作とタイトルを変えられている点とかオチの付け方とか案の定というか何というか。キャリアの浅い監督共々、大塚寧々を生かしきれてない感もある。

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「玉虫」★4

小池真理子（原作）×塚本晋也（監督）×石田えり（別格・殿堂入り）

すげえ！石田えりすげえ！完全に格が違う。

５本中、一番解釈の難しい映画だが、そんなこと総て忘れる石田えりの圧倒的存在感。 ただひたすらすごい。

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Dance Part（オープニング・中盤・エンディング）★1

モー娘。振付の夏まゆみが監督までしているそうだが、全く不要。むしろ邪魔。 塚本晋也×石田えりの後に何を持ってきてもお粗末にしか見えない。 今すぐフィルムを切りたい衝動に駆られること間違いない。保障する。