[コメント] バットマン ビギンズ(2005/米)
ノーランの解釈はバットマンを定義し直す事から始まった。それは成功している。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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バットマンと言えばバートンがスタンダードになっているので他の監督がやるとなるとどうしても比較される運命になり厄介だと思う。ノーランはそれを考えてバットマン自体の成り立ちを自分で定義出来てしまうバットマン誕生を映画の舞台に選んだのだと思う。そこは『メメント』を作った監督に相応しいクレバーな時間選択だと思う。
バートンの演出における強い脚色力に対しノーランはバットマンを通常の人間や世界に超人性を追加していく方向で演出している。その利点と欠点について・・・
アメコミにおけるアクション描写というのは実際の格闘技を逸脱しているのでノーランが選択しているのは忍術。これが結構苦しい選択である事は想像に難くない。アクションを真正面から提示する事は避けている。
ゴッサムの描き方は近未来でゴッサムの全景をいくらでも描けるように設定されている。バートンのゴッサムは魅力的だけど、全景が見渡せるようには撮れてない。取捨選択、強調と省略。まさしくアメコミな訳である。ゴッサムの全景を撮れる事でノーランの強みであるスケール感がこの映画では出ている。
役者についてはアメコミの絵を意識させるような見事な選択をしていると思う。表情の付け方一つまでの拘りを感じさせる。それはバートン版の過剰(ニコルソンのジョーカー等)に対して引き算で作った表情だけど、こちらのほうがアメコミの本質だと思う。
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