[コメント] 宇宙戦争(2005/米)
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ラストのモヤモヤ感は原作古典への敬意として、受け入れよう。不可能に思える反撃が人間の創意工夫と尊い犠牲によって繰り広げられる、お涙頂戴的な描写をするようなのは、ブラッカイマーにでも任せたらいい。 それに、「調べとけよ!」っていうツッコミは地球人にとっては当たり前でも、あの地球外生命が、まったく異なる環境、異なる進化系の中で、微生物の概念が無かったということもあり得るのだから。 まあ、観終わった直後は、NYーボストン間の話だったから、「どうせなら、ベーブ・ルースの呪いが侵略者を退治したとでもした方が面白いぞ」なんて思ったりもしたけど。
“トライポッド”の出現シーンは「プライベート・ライアン」での塹壕にタイガー戦車が乗り上げてくるシーンを彷彿とさせ、同作との類似性は監督自身が述べているところではあるけど、こういう等身大の一庶民の視点で描ききった点は多いに評価できるし、そうでなければこの現代でリメイクする意味を金儲け以外に見いだせなかったろう。 そしてティム・ロビンスが出ているくだりを描写した点も。あれは本当にイヤなシーンが続いて、スピルバーグにしてはしつこいくらいに見せていた。この「らしくない」部分が見れたこともよかった。基本的に「これはスピルバーグ作品なんだ」というところから始まって見ている身には、あのような「監督の勇気」が伺えるシーンには思わず嬉しくなってしまう。
それにしても、本作では日本関連のシーンが少なくない。これは前作の53年版で宇宙船をデザインしたのが日系のアルバート・ノザキ氏であったことへのオマージュなのだろうか。図らずも、「宇宙戦争」は2作とも日本に縁のある作品となってしまっている。 ちなみに、オーサカで“トライポッド”を倒したのは、「カーネル・サンダースの呪い」ということで。
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