[コメント] ランド・オブ・ザ・デッド(2005/米=カナダ=仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
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私がゾンビ映画を好きになったのは結構最近の事で、鑑賞したのもまだ『ドーン・オブ・ザ・デッド』 , 『28日後…』 , 『バイオハザード』 シリーズ位カナ?なので、ゾンビは墓から這い上がってくるか否か、動作が機敏かもそーっとスローか、腐っていて直ぐに崩れ落ちる肉体か腐ってる割に強靭か等は気にせず観てきましたが、本作で度肝を抜かされたのは、個性豊かなゾンビ達です。
花火に見入るゾンビ仲間を、不安げに落ち着きなく突っつき、「なーに花火に釘付けなったてんだよ!しっかりしろ!」とばかりに花火に見入るゾンビの後頭部をはたく黒人(ボス)ゾンビ。銃撃から守ろう守ろうとしての事。悲痛な雄叫び。血肉に飢えてる貪りたいってより、メラメラと憎しみ溢れた眼つき。(たまにボケーっとした眼つきしてる時もあって、そのギャップがまたたまらなかった!笑)
ゾンビになるならあれが良いな〜と思った、手を繋ぎ行動を共にするカップルゾンビ。(鑑賞中2度も思った。2度目は、「あ、やっぱりあれいーなー」って)
精肉店主を思わせる白のビニールエプロンをし、出刃包丁を手放さない頭のてっぺん禿げ気味のゾンビ。
延々ショッピングカーを押し回っているゾンビ。
などなどです。ゾンビにちょっと感動させられたり、愛嬌を感じたりさせられるとは思いもしませんでした。後に、ゾンビ達が色々と思い出していく過程を見、妙に納得させられたんですが。
ロメロ 監督が作るゾンビ映画と、他のホラー映画との大きな違いは、”社会に対する明確なメタファーがある” と何かで読み、事前に知っていた事ですが、「へえ!奥が深いんだ。政治的意味合いも含んでるんだ。」 位にしか感じれなかったのは、ちょっと残念だったと思います。
カウフマン(デニス・ホッパー)が支配する高層タワー・そこに住む財力のあるセレブ達・財力無くその周りで暮らす者達・傭兵や警備員として危険を冒し生活を守る者達等の貧富の差は、 刻々と変化している外の世界には目もくれないブッシュ政権・独裁者の支配する隔離された社会・彼が政策を決め、民衆は受け入れるしかない現状を描いているらしーが、 「いつか外界に飲み込まれるゾ!って事?かぁ…!?ほー…」 とね。
何はともあれ、べろんとか出た腸や、腱を噛み千切る描写等、血内臓血内臓じゃないだろーかとビビッてましたが、それらのシーンも長々映す事無く案外ぱっぱと変わってくれて、スプラッター苦手な私でも観れる範囲内でしたし、 動きの速いゾンビに比べると恐怖は激減しますが、動きが鈍くてもゾンビの数が数なだけに、じわっじわっと迫られる・ あっち行ってもこっち行ってもゾンビ!逃げ場が少しずつ限定され狭まれる恐怖と言うのがあったし、 楽しめました。
次はどんなゾンビ映画が生まれるんだろう♪まだまだ注目ジャンルです♪
05.08.31@TOHO
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